ほとんどの自動車メーカーは大量の現金と多くの懸念を抱えて2023年を終えた。自社株買いは症状を緩和する抗うつ剤であり、病気を治す薬ではないが、何もないよりはましだ。従来の自動車産業にとって2023年は大いに潤った一年だった。21年から22年にかけての半導体関連の供給制約を経て生産は回復。在庫不足を経験した消費者や車両保有事業者は、金利上昇にもかかわらず新車を購入した。予測会社グローバルデータによると、23年の世界の自動車販売台数は10%増となる見通しだ。しかしニュースを読んだり米国株の値動きを追ったりしても、こうした明るいメッセージは読み取れなかったかもしれない。23年にはほぼ全ての大手自動車メーカーで売上高が過去最高となるとみられるが、米国内の利益は自動車価格が高騰したおかげで22年のほうが大きかった。自動車価格が少なくともこの10年で初めて下落する一方、販売奨励金は増えている。
自動車メーカーの潤沢な現金、使い道は
好業績が続くガソリン車メーカーの間で自社株買いの動きが広がる可能性があるが、それでEV関連の痛みが癒えるわけではない
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