気候変動は、世界の農業の形を既に変え始めている。中でも世界で最も人口の多いインドは脆弱(ぜいじゃく)に見える。異常気象だけでなく政府の価格統制があるためだ。  インドは有数の食料輸出国でもあり、この問題はインドと世界の双方にとって喫緊の課題となっている。だが、政治がその解決を極めて難しくしている。  昨年12月上旬、インドはタマネギの輸出を今年3月まで禁止すると発表した。国内価格を抑えるための取り組みだ。政府は過去1年半で既にコメ、小麦、砂糖にも輸出制限をかけていた。インドは世界1位のコメ輸出国であり、砂糖とタマネギの輸出では2位。