クルマのスピードが速い高速道路に「危険」という印象を持っている人もいるでしょう。ですが実際は、高速道路は歩行者や自転車と接触するリスクがなく、一般道よりも運転しやすい側面があります。そうした中で盲点といえる「事故多発エリア」が、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアです。SA・PAが事故の温床になりかねない3つの理由を、モータージャーナリストの筆者が解説します。(モータージャーナリスト 諸星陽一)
高速道路は“下道”よりも
危険だとは言い切れない
高速道路はクルマのスピードが速いので、運転初心者や運転に不慣れな人には危険だと思われているようです。
確かに速度が速ければ運動エネルギーが大きくなるので、事故が起きた際は被害も大きくなりがちです。しかし、高速道路には歩行者も自転車もいません。外部からの誤進入などがない限り、対歩行者や対自転車などの事故は起きません。
一方、高速道路の中には、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)といった休憩をとるための施設があります。当然ながらこれらの施設では、クルマから降りた人がエリア内を歩いています。ここに、ドライバーが見落としがちな「事故の原因」が潜んでいます。
というのも、SA・PA内では対歩行者の事故が起きる可能性が高く、JAF(日本自動車連盟)などが注意を喚起しています。
拡大画像表示
その理由は、単に多くのクルマや人が動いているからではありません。SA・PAで事故が起きやすい要因を、安全運転講習会や試乗会のインストラクターも務める、モータージャーナリストの筆者が解説していきます。