2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「この子は、この子のままでいい」と丸ごと受け入れることが、子育ての本質

 体に障害のある子どもを持つ母親から、次のような悩みを打ち明けられたことがあります。

「私の子どもは障害を持っているのですが、昨年、気功や民間療法などの治療のおかげで、とてもよい方向に向かい、喜んでいました。ところが今年になってから急に悪くなってしまったんです。以前よりも悪くなった感じで、とてもつらく悲しい思いをしています。この子のために、私はどうすればいいのでしょうか?」

 子どもが健常児に近づいたら嬉しくなって、健常児から遠ざかったら落ち込むというのは、この母親が「子どもを丸ごと全部、受け入れていない」からだと感じました。

「こうあってほしい」「こうあってほしくない」と思っている間は、この母親の苦悩はずっと続くと思います。

 子育ての本質論は、「この子がどのような状態であろうと、100%全部受け入れる」ことではないでしょうか。

「体調がよくなっても、悪くなってもいい。あなたが目の前にいてくれれば、それでいい。私はあなたをそのまま受け入れる」と思うことができたら、子どもの病状によって一喜一憂することがなくなるのだと思います。

 目の前に起きている現象は、どんなことも受け入れて(感謝して)、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を言わないことが、幸せを感じるためのスタートラインなのだと思います。

 目の前から嫌なことがなくなったから言わなくなるのではなくて、自分が「嫌だな」「思い通りにいかないな」と思っていることも、全部、含めたうえで、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を言わないようにしないと、起きてきた現象に対して、受け入れられません。

 私にも、障害を持った子どもがいます。

 ですが私は、この子に対して「こっちに行ったら嬉しくて、こっちに行ったら悲しい」「自分の思い通りになったら嬉しくて、思い通りにならないと苦しい」という気持ちは持っていません。

「この子は、この子のままでいい」と、そう思っています。目の前の現象に関して「こういうことは楽しいと思うけれど、こういうことは嫌なことだと思う」と考えている限り、いつまで経っても幸せはやってこないと思います。

 どういう現象が起きても、それを、すべて受け入れることが本当の幸せです。

 子どもが「自分の思い通りになったら喜ぶ」「思い通りにならなかったら悲しむ」としたら、それは子どもを認めていないし、受け入れていないことになると思います。

「この子は、この子のままでいい」と全部受け入れた瞬間に、子育ての悩みはなくなるのではないでしょうか?

「これがいい」「これが嫌だ」ではなくて、起きていることを全部受け入れた瞬間に、神様は「あなたは、わかったのですね」と言って、ニッコリ微笑んでくださるのだと思います。

 するとその瞬間に、あなたは、「自分は、すでに神の国の住人であった」ことに気づくことができるのだと思います。

 人生は、それをわからせることが目的で存在しているのではないでしょうか。