「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回は、枝豆。簡単においしさがアップするコツを紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)

ちょっとしたことで絶品に!

レシピ未満のおいしい食べ方Photo: Adobe Stock

枝豆はいつも、塩で蒸しゆでにして塩水につける「塩ゆでづけ」にしています。

蒸しゆでにすると短時間でゆで上がり、香りも食感もしっかり残ります。

さらに塩水につけると、程よい塩分が入っていい味に。冷蔵で7日くらいはおいしく食べられます。

作り方は、まず、3カップの水に塩(濃度3%)を煮溶かし、保存容器で冷ましておきます。枝豆を鍋に入れたら、豆の高さの半分程度の水を加えて塩をふります。
塩の量は、親指・人さし指・中指ではさんで3ふり程度が目安です。

ふたをして強火にかけ、煮立って5分したら上下を返し、ざるに上げます。粗熱はとらず、用意しておいた塩水にそのままつけましょう。

枝豆が空気にふれると傷んでしまうので、塩水にしっかり隠れるようにつけるのがポイント。つかりにくいときは、容器のかわりに保存袋やポリ袋を使ってもよいでしょう。

塩水につけた枝豆は、ふっくらとした食感でほどよく塩味がついています。

温かい状態で食べたい方は、食べたい分だけ電子レンジで温め直しても。

または、オリーブオイルでさやごと炒めると、香ばしくなっておすすめです。炒める前にはさやの水けをよくきり、さらにペーパータオルでしっかり拭いておきましょう。

レシピ通り作ったのにうまくできない……という人は、サラッと書かれている調理法が、プロにとっては簡単でも、自分にとっては難しいということに気づいていないのかもしれません。「これは、こういうもの」と思わず、もっと簡単にできる方法はないかな? と自分に合う作り方を探してみるといいでしょう。藤井恵さんのレシピが「どんな人でも上手に作れる」と言われるのは、おいしいだけではなく、簡単で、誰もが失敗しづらく、時短になり、しかも必要な栄養素を効率的にとれる料理になっている? と常に考えられているから。レシピとは言えないくらい簡単なコツを知るだけで、驚くほど料理上手に近づけますよ!