エクステリアは、まずヘッドライトの形状が変更された。目頭のあたりを見ると、先代では丸みがあるが、新型では尖ったエッジの利いたデザインになっていることがわかる。新型は全車にマトリクスLEDヘッドライトが標準装備となったが、新たに「HDマトリクスLEDヘッドライト」がオプション設定される。これは各ヘッドランプあたり3万2000以上の画素で構成され、他車を識別すると、ハイビームを画素単位で遮断しドライバーの眩惑を防ぐというもの。

 ヘッドライトの変更にあわせてボンネットのデザインもより立体的に、バンパーの開口部もより大きくスクエアな印象になった。リア部分では、先代では横一文字のリアコンビネーションランプの中央部分がくぼんでいたが、新型では1本の力強いラインに見えるデザインになった。カイエンオーナーじゃなければ見逃してしまうような細やかな変更を加えるあたりはポルシェらしい手法といえるものだ。

ポルシェ カイエン ターボ E-ハイブリッドGTパッケージはフロントセクションのアクセントやホイールアーチなどをブラックに。ターボGT由来となるチタンエグゾーストシステムのテールパイプを装備する。

 インテリアは全面刷新といえるほど大幅に変更された。電気自動車「タイカン」の要素を取り入れたもので、メーターパネルは、ナセル(日除け)のないフリースタンディングデザインの12.6インチ曲面ディスプレイを採用。センターディスプレイのほかオプションで助手席専用のディスプレイも用意された。オートマチックギアセレクターは、ステアリングホイールの隣に移設し、これによりセンターコンソールにスペースが生まれ、ブラックパネルデザインの大型エアコンディショナーコントローラーを配置するなどしている。

メーターディスプレイとセンターディスプレー自立型曲面デザインのメーターディスプレイと12.3インチのセンターディスプレイを採用する。
シートGTパッケージにはスポーツシートを標準装備。
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