近頃は誰も「気候変動警察」から逃れられない。米歌手テイラー・スウィフトさんでさえ例外ではない。彼女は米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のカンザスシティー・チーフスに所属する恋人トラビス・ケルシー選手のプレーを見に行くためプライベートジェットを頻繁に利用しており、それに伴う二酸化炭素(CO2)の排出を批判されている。しかし、心配には及ばない。スウィフトさんの広報担当者によれば、本人はカーボンクレジット(CO2排出権)を買ってカーボンオフセット(排出量の相殺)をしている。そう、相殺だ。CO2排出量の相殺を利用する企業や国家が増え続ける中で、大スターのスウィフトさんも仲間に加わった。民間で発行されたカーボンクレジットを購入することで、実際には排出量を減らしていないのに減らしたように見せかけることができる。カーボンクレジットは金銭的な価値を持つと見なされているが、その主な目的はCO2を排出していることへの批判をかわすことだ。
【社説】炭素排出権を買うテイラー・スウィフト
プライベートジェット利用の罪悪感を払拭する方法
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