中国は波乱の1年を経て、製造業の強化を通じた経済の立て直しを図ろうとしているが、この戦略は貿易面で新たな緊張を招く恐れがある。各国が基幹産業への支援を強化し、世界的な経済成長が危うくなりかねないためだ。世界第2位の経済大国である中国は昨年、新型コロナウイルスの流行時に鎖国状態にあった3年間を除けば数十年ぶりとなる低成長率を記録した。長引く不動産不況は、政府が経済のけん引役として、債務を原動力にした不動産投資にもはや頼れないことを意味している。また、個人消費主導の経済に転換しようという当局の意欲もほとんど感じられない。