2年間にわたって大騒ぎを演じた千葉県の東千葉メディカルセンター(MC)の贈収賄事件は23年末に最後のひとりの地裁判決が出たことで一応、決着が着いた。
ご記憶の人も多いだろうが、東千葉MCは閉鎖した県立東金病院の後継病院として東金市と九十九里町が出資した東金九十九里地域医療センターが14年に開業した地域中核病院。だが、市街地から離れた工業団地の奥にあり、交通が不便なことから患者数が少なく赤字続きで、毎年、市と町に加え、県も支援金を出していた。
そんな病院の事件が発覚したキッカケは数人の東金市議会議員に送られてきた50枚にも及ぶ分厚い内部告発文書だった。市議会の病院評価委員に就任したばかりの清宮利男議員が開封すると、中身は東千葉MC内で事務部門がお手盛りで給与を増額したり、医療機器購入の際、勝手に随意契約にして業者からキックバックさせて懐に入れたりしているという衝撃的な内容。これが事件の幕開けだった。