北東アジアの今冬は例年より暖かく、中国経済は冷え込みが増している。その結果、液化天然ガス(LNG)価格は急落しており、おそらく低調なままだろう。2022年には海運と天然ガスパイプラインの混乱が欧州のエネルギー危機を招いたが、24年は在庫が潤沢な上、アジアの需要が低調で推移するとみられることから、危機が再来することはなさそうだ。  これは、紅海で緊張が高まり、海運が世界的に停滞していることを考慮した上での見通しだ。22日にはイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対し、米英軍が新たな攻撃を行った。この地域の主要なLNG産出国であるカタールは、紅海を迂回(うかい)することを決めた。