年収が上がらない、モチベーションが上がらない ── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。

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“新卒1年以内退職者が直近20年間ゼロ!”
富士フイルムからの転職者

 僕らは、これは! という人材を見つけたら、迷うことなく役員のかばん持ちをさせる

 本書でソフトバンクから転職してきた堀尾を紹介した。
 堀尾はインターン時代に役員のかばん持ちをしていた。

 同時期にかばん持ちをしていたのが三輪昌徳だ。

 三輪は新卒で富士フイルム(1934年創業)に就職していた。

 驚いたことに当時、富士フイルムでは新卒1年以内の退職者が直近20年間でゼロだったという。

20年間で初めての退職者

 ところが堀尾に続いて三輪もフィディアに転職してきた。
 三輪が20年間で初めての退職者になったのだ。

 三輪は「歴史に傷がつくからせめて1年だけ残ってくれ」と富士フイルムの上司に言われたが、関係者全員に筋を通し、「それだけの想いがあるなら仕方がない」と送り出された。

 堀尾と三輪は、役員3人と入社以来半年間併走したので、普通の新卒とは成長カーブが違った。

 ソフトバンクと富士フイルムでも期待の新人として評価されていたが、「より成長したい」という強い想いを持った2人は、とことん成長させてくれる職場で働きたいと思っていた。

若手社員の一番の報酬

 給料や会社の知名度ではなく、「自分自身が成長できる」「自分にとって尊敬できる心強い仲間がいる」ことが一番の報酬なのだ。

 三輪は現在「Artill(アーティル)株式会社」の代表取締役だ。

 ここではアートイベント企画事業として東京藝術大学を首席で卒業したアーティストを集めた美術展などを行っている。

 首席は年間数人しかいないが、その人たちにアプローチして契約している。

 三輪は日本人だけでなく外国人との交渉にも長けている。

 元々大阪大学出身で地頭がよいこともあるが、仕事で使うという理由で英語を勉強し、外国人と交渉できるまでの英語力を身につけた努力家でもある。

誰もが驚く会場で
建物、空間の映える企画が真骨頂

 以前、京都の佳水園という数寄屋風建築の旅館を貸し切り、佳水園初の個展を行った。

 透明なアクリル製の台座を独自に開発してアート作品を載せる。
 するとアート作品が佳水園の庭に浮いているように見える。

 兵庫県の淡路島では、建築界最高の栄誉といわれる「プリツカー賞」を受賞した坂茂さん設計の唯一無二の建築物「禅坊 靖寧」でも初の個展を行った。

 誰もが驚く会場で建物、空間の映える企画が三輪の真骨頂だ。

 伸び盛りの大学生の頃に役員の仕事を間近で見ると、その後、とてつもない成長スピードで戦力になってくれる。

 2人の成長に手応えを感じた僕たちは、最近は優秀な人と判断すると、できる限り役員のかばん持ちをさせるようにしている。

 僕らの役員は数々の修羅場を乗り越えてきている。

 ビジネスのセンスもスキルも抜群だ。

 半年間のかばん持ちで、判断が難しい会議や商談などを併走した新人は役員への憧れを持ちつつ、いろいろなことを学び、吸収し、猛烈なスピードで成長していく。

 こんな環境は超大手企業でもなかなか用意してくれないだろう。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)