貨物や乗組員を宇宙に打ち上げるためのロケットの開発が脚光を浴びることは珍しくない。一方、多くの企業が人工衛星などの機器を宇宙で移動させるニーズが今後生じるとみて、そのための宇宙機の開発にも取り組んでいる。「ロケットを定期的に港に入る貨物船のように考えるべきだ。そして宇宙でも壊れず、貨物をどこにでも運ぶけん引トラックを持つべきだ」。米スタートアップのアルゴ・スペースの共同創業者ロバート・カーライル氏はそう話す。同社は現在、宇宙輸送機を開発中で、将来的に輸送機が月面のちりから推進剤用の水を調達することを目指している。こうした宇宙機は宇宙企業スペースXの「スターシップ」やブルー・オリジンの「ニュー・グレン」のほか、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが今月初めて打ち上げた「バルカン・セントール」など現在開発中の大型ロケットと連携して任務を果たす予定だ。大型ロケットは大量の物質を地球低軌道に投入できるように設計されている。打ち上げの間に配備された宇宙船や人工衛星はその後、宇宙輸送機によって最終目的地に運ばれることになる。