ジョー・バイデン米大統領が繰り返し警告していたように、いずれ起きるのは必至だった。イランの代理勢力の武装組織が発射した無人機あるいはミサイルが米国の防御をかわし、米軍兵士を殺害するという事態のことだ。まさにそれが28日に起きた。シリアとの国境に近いヨルダンの米軍基地で3人の米国人が殺害され、25人が負傷した。今、問題になっているのは、最高司令官(である大統領)が今回の事態にどう対応するのかということだ。バイデン氏は28日、声明で「わが国最良の」愛国者たちの死に「米国の心は沈んでいる」と述べた。その感情は素晴らしく、間違いなく心の底からのものだが、現時点では無力で非常に腹立たしいものだ。残念な真実は、これらの犠牲が大統領の選んだ政策の結果だということだ。バイデン氏は昨年10月以降、中東で米軍に対するイランの代理勢力による150回以上の攻撃に十分な対応を取ってこなかった。バイデン氏ないし政権が軍事的に報復し、言葉で不満を表明する以上のことをしたのはごくわずかで、その場合でも、限定的な空爆しか行わなかった。