FRBFRBは最近のインフレ減速の持続性に確信が持てないため、利下げ開始は慎重に判断したいのかもしれない Photo: Farrah Skeiky For The Wall Street Journal

 米連邦準備制度理事会(FRB)高官らは、通常であれば喜ばしい問題を年初から抱えている。インフレ率が想定をはるかに上回るペースで低下しているのだ。

 とはいえ、これは難問を突き付けている。なぜなら、インフレ率がFRBの目標値である2%に持続的に戻っているのであれば、実質金利(インフレ調整後の名目金利)が上昇し、経済活動を抑制し過ぎている可能性があるからだ。つまり、FRBは利下げが必要だということになる。問題はその時期と程度だ。

 米経済が堅調な成長を続けているため、FRBは30~31日の連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを見送るだろう。食料品とエネルギー品目を除くインフレ率は月次ベースで、過去7カ月のうち6カ月で2%以下となっているが、FRBはそれが持続性のあるものだと確認できるまでは利下げに踏み切らない構えだ。