新NISA制度が始まり資産運用が国民的な関心として広がるなか、「金融についてイチから学びたい」という声が高まっている。「お金について一度も学んだことがないのに、いきなり投資を始めるのは不安だ」と思うのは当然だ。金利、インフレ、ローン、株、為替――ニュースをつければ毎日耳にする言葉だが、「実はよくわかっていない」という人も多いのではないだろうか。そんな人におすすめの1冊が、金融の基本を60分で学べる『アメリカの子どもが読んでいるお金のしくみ』だ。アメリカで子どもから大人まで絶賛の声が絶えない本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。

将来お金で困りたくなければ、絶対に知っておくべき金融の基本Photo: Adobe Stock

インフレでお金の価値は目減りしていく

 1975年に1ガロン(3.785リットル)の牛乳がいくらだったか知っているかい?

 1.57ドルだったんだ。

 それが1995年には2.41ドルで、2015年9月には3.39ドルにまでなった。

 なぜ牛乳の値段は、何年もの間上がり続けるのだろう?

 商品やサービスの値段は、インフレのせいで上がる。

 インフレがおこる理由はいくつかあるが、おもに供給は変わらずに需要だけが多くなるからだ。

 たとえば、給料が増えたり、クレジットで簡単にお金を使えたりすると、人びとはより多くのお金を持つことになる。

 すると、より多くのお金を使うようになる。ここで思い出してほしい。需要が供給よりも多いと、値段は上がるんだ。

 1975年、1995年、そして2015年9月時点のいろいろな商品の値段を見てみよう。

将来お金で困りたくなければ、絶対に知っておくべき金融の基本

 インフレがおこると、持っているお金で買えるものは減る。同じ商品やサービスを買うには、もっと多くのお金が必要になってしまう。

 だから、インフレを考えれば、貯金箱にすべてのお金を入れておくのはかしこいとは言えない。

(本稿は『アメリカの子どもが読んでいるお金のしくみ』から抜粋・編集したものです。)