2024年、韓国政治の混乱が止まらない。年明け早々に野党党首が切りつけられただけでなく、その後元ニュースキャスターの有名女性議員が未成年から襲われるという事件が発生。与党も野党も党内で対立や分裂が続いており、「安定」とはほど遠い状況が続いている。4月には総選挙がある韓国。今年に入ってから起こったさまざまな事件をまとめて紹介する。(韓国在住ライター 田中美蘭)
年明けからずっと混迷が続く、韓国の政界
2024年1月、年が明けてからずっと韓国の政界は荒れ模様が続いている。
1月2日、野党「共に民主党」党首の李在明(イ・ジェミョン)氏が訪問先の都市・釜山で襲撃を受けて負傷したことに韓国内では衝撃が走った。しかし、李氏の容態や入院や手術をめぐる経緯やそれに対する「共に民主党」の対応に釈然としない点が多く波紋が広がった(参考記事)。さらに、党の重鎮である李洛淵(イ・ナギョン)氏が、李在明氏や「共に民主党」に決別を宣言。離党して新党の結成を発表した。
「共に民主党」は、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領や李在明氏を盲信的に支持する一部の熱烈的な支持者たちによって支えられている。しかし、党内とその周辺で立て続けに起こっているこうした不穏な動きが、4月の国会議員総選挙に影響を与えることは必至であろう。しかし、与党「国民の力」にもさまざまな不安材料が浮上しており、総選挙の行方は混沌とするものと思われる。