米ブラックロックが運用する10兆ドル(約1490兆円)の巨額資産はパッシブ運用のインデックス投資を中心に構築されている。だがラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)はインフラが同社の次の成長の波を後押しすることに賭けている。ブラックロックは1月上旬、米投資会社グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)を125億ドルで買収することで合意した。同社にとってはプライベート(私募・非公開)市場での投資をこれまでで最も強力に推進する動きだ。ニューヨークを拠点とするGIPは約1000億ドルの資産を持つインフラ投資ファンドで、世界中のエネルギー・輸送・廃棄物・水道会社を所有・運営している。GIP買収により、ブラックロックのポートフォリオには、英ロンドンのガトウィック空港から米国の天然ガスパイプラインやデータセンターに至るまで幅広い資産が加わる。両社の資産を合わせると、ブラックロックは世界有数のプライベート・インフラ資産運用会社となり、企業運営でより大きな役割を担うことになる。