2023年の全国企業倒産(法的整理、負債1000万円以上)は、前年から33.3%増となる8497件となり、2019年以来4年ぶりに8000件を超えた。コロナ支援策による倒産抑制期は終わり、コロナ前の水準に戻ったわけだが、抑制期間の反動で今後発生する倒産件数は加速度的に増えるとともに、「粉飾決算」をはじめとするコンプライアンス倒産の構成比が高まりそうだ。(帝国データバンク 情報統括部 情報取材課長 阿部成伸)
コロナ禍の3年間で
抑制された倒産は4500件!?
コロナ禍のゼロゼロ融資などの支援策によって、一体どれほどの企業倒産が抑制されたのだろうか。振り返るとコロナ前の倒産件数は2017年(8376件)、2018年(8063件)、2019年(8354件)と大きな変化はなく、ほぼ横ばいの推移となっていた。
もしコロナが発生することなく、2020年~2022年も引き続き同じ状態(倒産件数が3年間で2万4793件)だったとすると、同3年間で実際に発生した倒産件数(2万200件)とのギャップは約4500件。少なくとも同数の企業倒産が2020年以降の3年間で抑制されてきた可能性がある。
2024年の年間倒産
1万件超えは現実的
2023年の企業倒産は急激な増加傾向に転じ2022年比で33.3%も増加した。その反動で2024年は多少落ち着きを見せるのかというと、そうではなさそうだ。
というのも、帝国データバンクが2月8日に発表した2024年1月の全国企業倒産は前年同月を28.2%も上回る700件となり、増加の勢いが弱まる気配がないからだ。2022年5月以降21カ月連続で前年同月を上回る状態が続いている。