倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#2Photo:amtitus/gettyimages

ゼロゼロ融資終了、金融機関の融資姿勢の厳格化、拍車が掛かる人手不足――。企業を取り巻く環境の変化とともに、金利上昇懸念の高まりもあって、2024年に倒産が急増するのは必至な情勢だ。そこで、上場企業3935社の倒産危険度を総点検。まずは総合版として、リスクの高い472社をあぶり出した。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#2では、ワースト100を紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

2024年度は大倒産時代の幕開けに
今こそ注目の倒産危険度ランキング

 2023年の全国の企業倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は8690件に膨らみ、前年比で35.1%も増加した。増加率としては、1992年以来の高水準となった。原材料高や人件費上昇、新型コロナウイルスの感染拡大対策として企業の資金繰りを支えた実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化などが原因だ。

 しかし、これからさらに倒産が急増するのは必至な情勢だ。4月に建設業界や物流業界でも、時間外労働の上限規制が適用されるようになる。これが、いわゆる「2024年問題」で、人手不足は一層深刻になり人件費高騰は避けられない。経営不振に陥っている関連企業にとっては、大きな打撃となる。

 金融庁がこの春に改正する金融機関向けの監督指針も要注目だ。コロナ禍後の経済活動が正常化したことを受けて、「金融機関は企業の資金繰り支援から事業再生に軸足を移すように」という内容が示された。この中で「問題を先送りせず」との文言が盛り込まれたのだ。企業の資金繰りをつなぐのを第一としてきた金融機関の融資姿勢が4月以降、厳しくなる恐れが強まっている。

 金利上昇懸念の高まりも相まって、新年度は大倒産時代の幕開けとなりそうだ。今こそ、経営リスクの高い企業を見分けることが重要である。その手引となるのが、公開情報から算出した「倒産危険度(Zスコア)」だ。

 米国の経済学者、エドワード・アルトマン氏が1968年に考案したもので、短期的な資金繰りの圧迫度や負債の負担度合い、売り上げや利益を生み出す効率性など、五つの指標の合計値により算出される。

 合計値が低いほど倒産リスクが高まり、1.81未満になると「危険水域」だ。1.81~2.99も倒産の懸念を否定できない。逆に2.99を上回れば、倒産の可能性はほとんどないといえる。

 ダイヤモンド編集部が上場企業3935社の倒産危険度を総点検したところ、472社が危険水域と判定された。昨年10月に元社長の安田康一容疑者と前社長の森本裕文容疑者が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕、同12月に会社更生手続きに入ったプロルート丸光は、ワースト14位だった(なお、同社の倒産危険度は、倒産前の23年3月期のデータを基に計算している)。

「2024年版 倒産危険度ランキング」のワースト100にはどんな企業が名を連ねたのか。個別に確認していこう。