倒産危険度(Zスコア)が“危険水域”と判定された企業の中でも、Zスコアが急速に悪化している企業は要注意だ。経営に変調を来している恐れがあるからだ。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#10では、Zスコアが1年前よりも悪化した企業50社を検証したところ、29位に燃費試験の不正で揺れている日野自動車が入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
エンジン不正問題の日野自動車が29位
4期連続赤字で財務体質が悪化
倒産危険度(Zスコア)が“危険水域”と判定された企業の中で、1年前からZスコアが悪化した企業について、ワーストランキングをダイヤモンド編集部は作成した。その結果、排ガスや燃費データの不正が発覚した日野自動車が、29位に入った。
2023年3月期の純損益は1176億円の巨額赤字を計上した。不正問題を受けた集団訴訟などの負担が重く、24年3月期の純損益は220億円の赤字を見込む。最終赤字は4期連続となる。財務体質の悪化が響き、Zスコアの悪化度ランキングでワースト50入りしてしまった格好だ。
日野自動車はトヨタ自動車の傘下ながら、単独の自動車メーカーとして生きていくのは困難となった。このため経営再建策として、独ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスとの統合計画を公表している。
もちろん気を付けるべきなのは、日野自動車ばかりではない。危険水域にある企業の中でも、Zスコアが急速に悪化している場合は注意が必要になる。経営に変調を来している恐れがあるためだ。それでは、悪化度でワースト50にランクインした企業の顔触れを、次ページで見ていこう。