イスラム組織ハマスは6日、米国が関与する交渉でまとめられた、人質解放に向けた最新の合意案の受け入れを拒否した。イスラエル側は、戦闘の長期休止、多くの危険なテロリストの釈放などの困難な条件を、人質の解放と引き換えに受け入れる姿勢を示していたが、ハマス側はこの合意案を拒絶したのだ。ハマスの誘拐犯らは、イスラエル側が戦争を完全に終わらせ、ハマスによるガザ地区支配を保証しない限り、残る132人の人質を、生死のいかんにかかわらず、イスラエルに返すことはないとしている。ジョー・バイデン米大統領は、このハマスの返答について「行き過ぎの感がある」と評した。恐らく、交渉相手が共和党員ではなくジハーディスト(聖戦主義者)であることを忘れていたのだろう。バイデン氏は、ハマスのことを「オポジション(野党、反対派の意味)」と呼び、のちにそれを訂正した。(交渉を仲介した)カタールは、ハマスの返答を「前向きな反応」だと捉えようとしたが、実際にはそれは、イスラエルとパレスチナの交渉での、お決まりのパターンの繰り返しにすぎなかった。それは、パレスチナ側のテロ行為を受けて、米国がイスラエルに危険な譲歩を迫って提案をまとめ、パレスチナ側がパレスチナ人の犠牲を顧みずにその提案を拒否するというパターンだ。