「負けグセがついた子」の親がやっている、絶対やめた方がいいこと写真はイメージです Photo:PIXTA

「負けグセがついた子の親には、特徴がある」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【「失敗に負けない子」に育てる方法】をお届けする。

親は「コーチ」になってはいけない

 子どもの習い事には「失敗」がつきものです。どれだけ綿密に準備しても実力を発揮できなかったり、試合で負けることがあります。このような時、親はどのように対処すべきなのでしょうか?

「親はサポーターに徹する」ことが大切です。「次に向けて一緒にがんばろう」「次があるから大丈夫!」と子どもを受け入れ、励ましてください。

 間違っても「ちゃんと練習しないから失敗するのよ!」「だからきちんと準備しなさいと言ったでしょ!」と叱ってはいけません。

 結果について親がとやかく言うと、子どもの心に恐怖心を植えつけてしまい、さらに失敗を繰り返すという悪循環に陥ることがあります。この悪循環は「負けグセ」にも発展しやすいので要注意です。

 子どもの習い事につき合ううちに、親がのめり込み、子どものコーチになることがあります。親がその習い事の経験者で、知識が豊富であるほど、子どもに口を挟む場面が多くなります。

 親がコーチになってしまうと、感情的な批判をすることが増えます。すると子どもは、叱られないように無難な行動を選択するようになります。このような状況に陥らないためにも、親業とコーチ業をはっきりと区別しましょう

 親の仕事は子どもの心身面のサポートです。体と心が健やかに発達するように栄養を与え、励まし、生活リズムを整えてあげる。子どもにとって、親は安心できる心のよりどころなのです。

 一方で、コーチの仕事は「目標達成へ導くアドバイザー」です。習い事であれば技能面やメンタル面のアドバイスを行うことが仕事です。子どもが失敗した場合、次に成功するためにどのような点に気をつければよいのか、技術面と精神面の両面からアドバイスをします。

 基本的には習い事の先生やコーチなどの専門家がこの役割を担います。客観的かつ一貫したコーチングによって、子どもは回り道することなく、習い事を高いレベルに引き上げることができます。

 親がコーチ役を兼任し、子どもの技術を指導する場合も、できるだけ感情的にならず、客観的に子どもにアドバイスを与えることを忘れないでください。

 子どもが試合やコンテストで期待通りの成績を収められなかった時は、まずは親として子どもの努力への称賛と励ましを与えてください。「よくがんばった。うまくいかなくて悔しいだろう。次に向けて一緒にがんばろう」というイメージです。それに続いて「次に向けてこの部分をもっと練習しよう」とアドバイスしましょう。

 習い事の目的は、「自信」を大きく育てることです。失敗を恐れず全力でぶつかることで、達成感を味わえればよいのです。重要なのは努力する「プロセス」であり、「結果」ではありません

 とはいっても、負けてばかりでは子どものやる気は育ちません。子どもの特性に合わない習い事をしていては子どもが楽しめず、効果も見込めません。「その子にピッタリ合うものを長く続けて成功体験につなげてあげること」が何より大切です。

「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!

「負けグセがついた子」の親がやっている、絶対やめた方がいいこと「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

「負けグセがついた子」の親がやっている、絶対やめた方がいいこと「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。