自分のことなのに、自分の感情がわからない。泣けない。やってもムダだと思う。気持ちを見失う。逃げ出したい……。考えれば考えるほど、ネガティブなことばかり思い浮かべてしまう人は少なくはないだろう。自分の中にある、モヤモヤした気持ちから解放されたいと思っている人に読んでほしいのが『わたしの中の黒い感情』(ソルレダ著、桑畑優香訳、ポプラ社刊)だ。この本では不安、悩み、失望、しんどい、混乱、怒り、葛藤など、70の黒い感情について、著者のソルレダ氏の体験と共に向き合い方が綴られている。ソルレダ氏はカウンセリング心理学を学び、人間の内面にたいする勉強をしており、自らイラストを描き、執筆した書籍が人気。日韓でシリーズ累計25万部のベストセラー作家だ。心の底にあるモヤモヤした気持ちと向き合うことで、自分自身の本当の気持ちにも気づける本書の一部を抜粋して紹介する。
燃え殻になってしまったあなたへ【燃え尽き症候群】
夜遅くに帰宅し、明かりもつけずに暗い部屋でへたりこむ日がある。ありったけの力をふりしぼって家に向かい、帰り道がはるか遠く感じる日もある。空腹にも気づかず、シャワーを浴びるのも面倒だ。じっと座っていると、ふと明日もくり返される日常が心に浮かび、すでに疲れ果ててしまう。茹ですぎたほうれん草のようにぐったりとしたわたしは、バーンアウトしてしまったのだろうか。
バーンアウト。自分を燃やし尽くしてしまった状態。バーンアウトは、「燃え尽き症候群」とも呼ばれる。
「ああ、自分は燃え尽きてしまったのか」と感じた瞬間を思い出してみよう。状況は人それぞれだろうが、いくつかの共通点がある。何でもがんばれると思う活力がみなぎってきたかと思えば、すぐに何もしたくなくなる状態がくり返される。そして、実際にはそんな体力はないと知っていながら、どうにかして仕事を終わらせようと無理をしてしまう。無理やり力をしぼり出しても続けられない。自然と集中力が低下し、時には仕事を台無しにしてしまうこともある。