中国のIT締め付け「習政権の過剰介入」は、不動産不況や人口減少より経済成長に深刻!?Photo:Photonews/gettyimages

公務員の給与が半年間未払い
成長率半減、深刻度深まる中国経済

 中国経済が深刻な状況に陥っている。先日は「中国の地方公務員が半年間、給料未払い」という、信じられないようなニュースが伝えられた。

 民間の零細企業ならともかく、給与がもっとも守られているはずの公務員だ。日本で公務員の給与が未払いなど、聞いたことがない。

 しかも、一部の都市でなく、多くの都市でこうした問題が起きているのだそうだ。それは、中国の地方政府が深刻な財政難に陥っているためだ。そしてそれは、不動産不況による。

 これまで、土地使用権の売却収入が、地方政府の収入の約4割という重要な地位を占めてきた。ところが不動産不況によってこれが大きく減少し、地方政府が窮状に追い込まれたのだ(注1)。

 バブルが崩壊した中国の不動産問題は、ここ数年深刻化していると伝えられてきたが、ついにこうした異常事態まで引き起こしてしまった。

 だが深刻なのは中国経済の不調が不動産部門にとどまらないことだ。

 実質GDP成長率は習近平体制が始まった10年前には10%程度だったが。いまは5%程度とこの10年間で成長率は4%ポイント程度も低下した。不動産不況や人口減少だけでなく、習近平政権の強権的な経済政策が成長を抑圧しているのだ。