近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。
「アイツはマジで使えない」と影で言われてしまう人が持つ悪い習慣
皆さんのまわりに「使えない人」と評価されてしまう人はいますでしょうか。そもそも、「人」は使うものではないという前提はありますが、残念ながら、このような評価を下されてしまう人がいるのも事実です。
こういった人に共通している悪習慣があります。それは、「じっくり考えたほうがいいと思い込んでいること」です。どういうことか見ていきましょう。
まず、「物事はじっくり考えたほうがいいじゃないか!」と思った方は多いのではないでしょうか。仕事をするうえでは考えることは必須能力であることは間違いないですし、考える力がある人ほど、活躍の場も増えていくでしょう。
しかし、ここで注意したいのが「じっくり考える」のと「しっかり考える」のは別物であるということです。仕事ができない人の多くは「じっくり考える」ことに固執して、無駄な時間を過ごしていることが多くあります。
たとえば、新しい宣伝方法を考えたとしましょう。特に期限はないので、納得がいくまで考えようと1週間、2週間と時間をかけてさまざまなことを検討しました。
どうでしょうか。もしかすると、その人のなかでは、新たに発見したことがあるのかもしれないですが、なんのアウトプットも生まれていません。そのため、まわりの人からすれば、「あの人、考えるって言ってばっかりで何もしてない」と思えてしまうでしょう。
つまり、仕事ができない人は、時間をかけて考えればいいアイデアが出る、もしくは時間をかければかけるほどいいものができると思い込んでいるのです。その結果、思考に時間をかけすぎて、何も生み出せず、最終的に失格の烙印を押されてしまうのです。