典型的な更年期障害と判明
薬で治すことも可能

 家族だけではどうしようもなくなったと判断したNさんは、会社から姉に電話をした。すると、姉からは意外な言葉が返ってきた。

 「それ更年期じゃない?私も40歳くらいのときに、関節が痛くて整形外科、ドキドキして循環器、皮膚がかゆくて皮膚科、耳鳴りがして耳鼻科、めまいがして神経内科に行ったの。そしてどこでも『異常なし』 の診断で途方にくれたのよ。近所の友人のすすめで婦人科に行って女性ホルモンを処方してもらったら嘘のようによくなったのよ。3年くらいかかったけれど今は元気よ。すぐ婦人科に連れて行ってあげて」

 Nさんは救われた気がした。

 早速産婦人科に行くと、医師は丁寧に妻の話を聞いてくれた。

 「はい、典型的な更年期障害ですね。今まで大変でしたね。今はいいお薬があるから大丈夫ですよ」

 そう話す医師の声に夫妻で涙ぐんでしまった。それからNさんの妻は、嘘のように元気を回復していった。MRという仕事に就きながら、自分の家族の本当の病気を見抜いてやれなかったことに後悔した。更年期は汗が噴き出して、暑がったり寒がったりする症状だとしか思っていなかった。そんな自分の知識の無さに愕然とした。

 男にも更年期があると聞く。そのとき自分は更年期と自覚できるのか全く自信がなかった。

 恵比寿で女性クリニックを開業するまのえいこ先生は語る。

 「実は私も医師でありながら、自分の不調の原因が女性ホルモンの減少であると最初は気づきませんでした。この方のようにドキドキしたら循環器、しびれがあったら神経内科、指先がこわばったり、関節腫れたら免疫内科に行くことは間違いではありません。まずは気になる症状の検査をしておくことが重要です。

 更年期障害は、女性ホルモンが減少することで起こる自律神経症状なので、全身に及んでいます。閉経前後の40代~50代の方に症状が現れると思われがちですが、若年期にも同様の症状が現れる事があります。これは卵巣の働きが悪いためで、20代で閉経と同じような症状を訴える方もいます。逆に70歳で自律神経失調症として同じ症状を訴える方もいます。ホルモン剤に低抗がある方は、飲み薬だけでなく、貼り薬や塗り薬もあります。正しく使えばとてもよい薬なのでぜひ気軽に医師にご相談ください」

(J&Tプランニング 市川純子)