世界のエネルギー市場はここ数年、激しい値動きを繰り返してきた。主要先進国では混乱が生じる一方で、厳しい予算の中でエネルギー輸入を拡大するインドは巧みな対応が目立つ。人口で世界一となったインドは、エネルギー消費量では上位2カ国を大きく下回る3位にとどまっているものの、成長が著しい。この点でインドの存在感の高まりを示したのが、今月の液化天然ガス(LNG)輸入契約だ。インド国営のLNG輸入会社ペトロネットはカタールとの契約を更新し、2028年から20年間、年間750万トンのLNGを購入することで合意した。LNG関連では過去最大規模の契約となった。インドは需要の増加に伴い同様の長期LNG契約を今後も締結する考えを示す。