この2年にわたり原油価格の高騰を抑えてきた米国のシェール・ブームに陰りが見えつつある。米連邦機関によれば、2024年の国内原油生産量は前年比で日量17万バレル増にとどまり、23年の同100万バレル増から伸びが鈍化すると予想されている。新型コロナウイルスの流行期を除けば、2016年以来の小幅な伸びとなる見通しだ。米国産原油の新規供給は、石油輸出国機構(OPEC)の減産や世界的な混乱(直近では中東で発生)に直面する中でも原油価格の上値を抑えてきた。そうした供給増をけん引したのは未上場の生産会社だった。これらの企業は、ロシアのウクライナ侵攻によって2022年初めに原油価格が1バレル=120ドル超まで上昇した後にリグ(掘削装置)を調達した。