大和ハウスPhoto:123RF

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大和ハウス工業や積水ハウスなどの「住宅メーカー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

上半期までは軒並み好調も
3Q決算で格差鮮明

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(積水ハウスは23年8~10月期、大和ハウス工業、積水化学工業は23年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大和ハウス工業
 増収率:4.4%(四半期の売上高1兆2116億円)
・積水ハウス
 増収率:2.9%(四半期の売上高7271億円)
・積水化学工業
 増収率:2.7%(四半期の売上高3126億円)

 住宅メーカー業界の3社は、軒並み増収となった。第3四半期累計の決算においても、大和ハウス工業は売上高と純利益が、積水ハウスは売上高が「過去最高」を記録。さらに積水化学工業は売上高・営業利益・純利益の全てが「過去最高」となるなど、3社そろって好調を維持している。

 だが、実はこの3社の中に、23年度の通期業績予想を下方修正した企業が1社存在する。その企業と、下方修正の理由とは――。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、好調から一転して業績下方修正に踏み切った企業を明らかにする。