間取りのポイントは
柔軟な変更ができるか

 バランス重視のメーカーの間取りには、主に2つの特徴がある。

 まず一つ目は、細かな変更がしやすいことだ。例えば、収納の幅を微調整したり、部屋のサイズを少し変更して理想の配置に調整したりすることができる。しかし、性能特化系のトヨタホームやセキスイハイム、一条工務店などは、建物の構造上の制約から細かい調整が難しい点は注意しておこう。

 二つ目の特徴は、木造のため大空間や大開口(広い窓)が得意ではないという点だ。一方で、鉄骨系のヘーベルハウス、大和ハウス工業、積水ハウス、パナソニックホームズ、ユニット工法のトヨタホームなどは大空間が得意なメーカーだ。

 バランス重視の中で大空間や大開口をしたいなら、アキュラホームがいいだろう。「8トン壁」という非常に強い壁を採用しているため、大空間や大開口にしやすい。

 一部のメーカーは、1.5階を造り、その下の部分を収納スペースにして、上の部分に書斎などを置く住宅を提案している。これによって、土地が狭い場合でも、上の階層に広がりを持たせ、開放感を出しやすくしている。都市部で好評なアイデアで、このスタイルを得意とするのは、1.5階の考案者であるミサワホームの他に、アイ工務店、住友不動産、桧家住宅などがある。

 こうした特徴は、展示場を訪れることで簡単に確認できる。また、これらの特性を生かすことで、面白い間取りや機能的なレイアウトを実現することも可能だ。しかし、一方で、階段の上り下りが難しい老後や子どもの安全性など、注意すべき弱点も存在している。