南米ベネズエラは、米国とメキシコから強制退去させられた自国民を乗せた送還便の受け入れを打ち切った。複数の関係者が明らかにした。米バイデン政権がベネズエラからの不法移民対策の柱に据えていた、強制送還便の行方に暗雲が漂っている。複数の米当局者によると、ほぼ毎週運航していた米国-ベネズエラ便は1月下旬に打ち切られた。昨年10月に両国が強制送還の再開で合意を発表して以来、最も長期の運航中断となっている。米国は計15便でベネズエラ人約1800人を送り返した。米政府のデータによると、ここ2年間に南西部の国境沿いで拘束したベネズエラ人は50万人近くに上っており、そのほんの一部だ。11月の大統領選を前に、ジョー・バイデン大統領の支持率は移民問題を巡る懸念などから低迷している。ベネズエラへの送還便は、違法に越境すれば強制退去のリスクがあるという警告を送ることが狙いだった。