中国は世界で最も肥満人口が多く、この問題の解決のために減量薬に頼る人が増えている。こうした現状が医薬品売買のグレー市場を勢い付け、中国の消費者が難なく規制を回避して「オゼンピック」を利用できるようになっている。糖尿病治療薬オゼンピックは中国では減量薬としては販売されておらず、2型糖尿病の治療薬として利用されている。しかし、電子商取引(EC)プラットフォームの利用者は、糖尿病と診断されたと申告するだけで、この「奇跡の薬」と呼ばれる注射剤を購入することができる。証明書を提出する必要はない。価格も悪くない。中国の大手通販サイト「JDドットコム」では、1カ月分の投与量のオゼンピックが約139ドル(約2万円)で販売されている。これは、中国の公的医療保険制度を利用した場合の費用よりは高いが、米国で一部のユーザーが毎月支払っている金額(970ドル)よりははるかに安い。同サイトを運営するJDドットコム(京東)社はコメントの求めに応じなかった。
肥満人口世界一の中国、「オゼンピック」が頼り
減量薬不足でグレー市場での取引が活発化
有料会員限定
あなたにおすすめ