FRB・パウエル議長Photo:Anna Moneymaker/gettyimages

市場を大きく動揺させた
1月の米国CPI

 1月の米国・消費者物価指数(CPI)は、「景気も物価も順調に軟着陸に向かい、このままいけば利下げも近い」と油断していた市場を大きく動揺させた。

 総合(ヘッドライン)CPIは前年比+3.1%と前月の+3.4%から鈍化したものの、市場予想の+2.9%を上回った。より衝撃的だったのはエネルギーと食品を除くコア・インフレ率の動きだ。

 コアCPI(季節調整値)は、前月比+0.7%とサービス価格を中心に前月0.4%から加速した(図表1)。上下に極端に変化した品目を除外した刈込平均や価格の動きが粘着的な品目の指数などインフレの基調を示す諸指標も伸びが加速した。