【毒親育ち】私の胸を触って「まだまだ」とニヤリ、娘婿に色目…「毒母の断捨離」を私が決意した瞬間写真はイメージです Photo:PIXTA

共働き家庭の一般化や、少子化が進んだ昨今。子どもに無関心過ぎる親、過放任な親、過保護・過干渉な親が散見される一方、下の子や老親の世話、手伝いの範疇を超えた家事労働を強要する親が目につく。こうしたケースの中には、親の意識の有無に関わらず、「子どもは親の所有物」と勘違いしている場合もある。「あなたは子どもの子どもたる時間や居場所を奪っていませんか」(ノンフィクションライター・グラフィックデザイナー 旦木瑞穂)

私の胸を触って「まだまだ」とニヤリ、暴力・暴言…
それでも両親の「毒」に気づけなかった

 関西地方在住の谷中紗里さん(仮名・40代・既婚)は、自分の実家の隣に家を建てて、夫と3人の子どもたちと暮らしている。

 なぜ、実家の隣に住んでいるのか。

 谷中さん夫婦が「そろそろ家を建てたい」と思って土地を探していたところに父親のがんが発覚し、たまたま実家の隣の土地が空いたため、父親を安心させたい気持ちと遺される母親を心配する気持ちから夫と話し合い、実家の隣に家を“建ててしまった”という。

 当時30代だった谷中さんはまだ、自分の親が毒親だと気付かずにいたのだ。

 しかし2021年8月。ついにその日はきた。

 谷中さんの家に遊びに来ていた母親は、孫にあたる大学生の長女と手を並べ、「若いから手がキレイだね〜」と話している。ほほえましい光景に、思わず谷中さんも手を並べた。

 途端、パシッ!と並べた手を叩かれ、母親に睨まれた。まるで、「お前はお呼びでない」とでも言うかのように。