「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。
確定申告で絶対チェック!
本日は、扶養控除についてお話しします。扶養控除とは、子や親などの扶養親族がいる場合、所得から一定額を控除できる制度です。
たとえば、高校生の子を扶養している場合は38万円、70歳以上の別居の親を扶養している場合は年間48万円の扶養控除を受けることができます。扶養親族の主な要件は次の通りです。
・その年の12月31日の時点で16歳以上であること
・配偶者以外の親族であること
・納税者と生計を一にしていること
・年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は103万円以下)であること
生計が同じであれば、別居していても扶養控除の対象に入れることができます。扶養親族として入れ忘れている人がいないかを見直してみましょう。
実は「別居」でもOK
「別居でもOK」というのは、盲点になりやすいところです。たとえば、ひとり暮らしを始めた大学生の子どもに生活費を出している場合も大丈夫ということです。親が生活費と学費を出しているのであれば対象になります。
さらにいえば、その年の年末時点で19歳以上23歳未満の人は『特定扶養親族』にあたり、控除額は63万円となります。一般の扶養親族に比べてより大きな節税効果を期待できます。
ただし、「給与所得103万円以下」という扶養親族の要件を忘れてはいけません。お子さんがアルバイトをがんばりすぎて103万円を超えないよう、注意しましょう。
(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)