「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

【確定申告】レーシックは医療費控除できる? できない?Photo: Adobe Stock

医療費控除のルールを知っておく

 医療費控除とは、原則として「自分や家族の医療費を、原則1年間に10万円を超えて支払った場合、一定の所得控除が受けられる」制度です。

 控除額は、「1年間に支払った医療費」-「保険金などの各種補てん金」-10万円で算出します。上限200万円までの控除枠がありますから、高額な費用がかかる治療を受ける場合は、所得の多い年度にまとめて行えば、医療費控除を最大限に活用でき、節税効果が高くなります。

 医療費控除の対象はかなり多岐にわたり、治療費や医薬品の購入費だけでなく、入院時の食事代や通院にかかる公共交通機関の運賃なども対象になります。

 ただ、気をつけたいのが、歯の治療費です。治療目的の診療費は対象になりますが、大人が美容目的に歯列矯正を受ける費用は、原則として控除の対象外です。ただし、発育途中の子どもの、治療を目的とする歯列矯正は対象になります。

 また意外なところでは、レーシック手術も医療費控除の対象となります。レーシックは保険適用外で、治療費数十万円が自己負担になります。医療費控除の対象になると覚えておいて損はないでしょう。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)