アクセンチュア、野村総研とも
トップ3は早慶、東大

 アクセンチュアは、23年のランキングでは、1位が慶應義塾大学、2位が早稲田大学、3位が東京大学で、前年と同じ順位だった。

 4位以下ではいくつか変化があった。京都大学は前年6位から4位に浮上し、前年4位だった大阪大学が5位となった。また、上智大学は前年8位から6位に、東京工業大学は前年10位から7位に上昇した。北海道大学は前年と同じく8位、明治大学は前年のランキング外から9位にランクインし、前年5位の東京理科大学は10位となった。

 野村総研は、1位が慶應義塾大学、2位が早稲田大学、3位が東京大学となり、早慶の順位が入れ替わり、アクセンチュアと同じ順位になった。

 4位以下を見ると、前年ランキング外だった京都大学が4位に浮上し、前年4位だった東京工業大学が5位になった。6位には、前年ランキング外の東北大学と前年8位だった明治大学が上昇。前年5位だった大阪大学が8位、前年6位だった東京理科大学が9位に、そして北海道大学は前年と同じく10位になった。同順に、前年ランキング外だった筑波大学もランクインした。

 ここから見えるのは、両社のデジタル人材採用の強化だ。アクセンチュアは22年の1位~10位の採用人数が387人に対し23年は406人、野村総研は243人に対し297人となり、積極的な採用をしている一方、高学歴化している様子がうかがえる。

 中でも、東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学と国立大トップがひしめいており、かなり狭き門となっている。また、両社ともDX人材を求めており、東京工業大学や東京理科大学といった理系大学も上位に食い込んでいる。

 DXの追い風が吹く中、コンサルのニーズがますます高まっている。一般的な企業と比べて給料が高く、さまざまな分野で自身の専門性が身に付けられるコンサル企業を目指す就活生が増えている。

DX以降に変わった
「即戦力」の定義

 コンサル業界は一般的に、プロジェクトマネジメントの責任者層であるマネジャー、シニアマネジャーや、その指揮下でプロジェクトを遂行するリーダー役のシニアコンサルタント、新卒採用者などで構成されるアソシエートといった、タイトル(役職)別に採用枠が設定されている。

 以前は即戦力といえば、経営企画、事業企画などの能力が備わっている人を指すことが多かったが、DXが浸透してきたころから、コンサルの分野によってシステムインテグレーター、ソフトウエアベンダー、その他デジタルに関わるプロジェクトに参画できる人を即戦力と捉えるケースが増えた。

 故に、これまで国立大学の経済学部、法学部出身者の採用も多かったが、今は情報工学を専門とする高等専門学校出身のエンジニアなど、理系人材の価値が上がっている。 

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)