米国防総省の本庁舎Photo:Getty Images/gettyimages

 ジョー・バイデン米大統領は先週の一般教書演説の冒頭、1941年にフランクリン・D・ルーズベルト大統領が行った演説に言及した。今週は、冷戦が終結に近づいていた1991年にふさわしいような国防予算の方針を公表した。議会は脅威が高まる中で米国の防衛を強化するだろうか。

 2025会計年度(2024年10月~2025年9月)の国防総省予算としてバイデン大統領が要求した8500億ドル(約125兆円)は、2024年度から1%増えただけだ。これはインフレ調整後の実質ではマイナスになり、バイデン氏はこうした提案を4年連続で行っている。過去1年間に何が起きただろうか。イスラエルが残忍な攻撃を受け、今は生き残りを懸けた戦争をしている。イランの代理勢力がこの地域の米軍に向けて無人機やロケットを100回余り発射し、イエメンの親イランのテロリストたちは世界的な海上輸送路を人質に取っている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナで行っている戦争は血みどろの長期戦になっているが、それでも同氏が勝つ可能性がある。北朝鮮は韓国に対して好戦的な態度を強めており、米国は韓国を防衛しなければならない。中国は最近、国防費を7.2%拡大する方針を発表した。最近公表されたあるシンクタンクの報告書によると、中国は米国の5~6倍のペースで高性能装備品を配備していると推定される。