言葉や質問への返事ひとつで、人間関係はギクシャクするもの。夫婦であればなおさらで、家庭は天国にも地獄にもなります。「よくデキた夫」でも、妻を大切に思っていても、悪気はこれっぽっちもなくても、ふとした拍子に「妻のスイッチ」を押してしまいがちです。コラムニストとして活躍する石原壮一郎さんの著書『押してはいけない 妻のスイッチ』(青春出版社刊)から、一部抜粋・編集して、夫にとってわかりづらい、押してはいけない「妻のスイッチ」について紹介します。今回は【育児編】です。
「子どもを見てて」と頼まれたが、グズり出した
夫「やっぱりママじゃないとダメだ~」
子どもがグズり出すと、たしかに途方にくれます。どうすれば落ち着くのか、さっぱりわかりません。しかしそれは、母親でも同じこと。「慣れている母親のほうが対処が上手なはず」と思うのは、都合のいい思い込みです。
妻が「子どもを見てて」と言うときは、何か理由があってのこと。ちょっとグズり出したからといって「やっぱりママじゃないとダメだ~」と言って子どもを返されたら、アテが外れたり予定が狂ったりしてさぞ困るでしょう。「夫はアテにならない」という確信にもつながります。
夫の側は「ママの特別な存在意義を強調してあげているんだから、妻も悪い気はしないはず」と考えがち。しかし、それはいささか甘えた了見であり、任せられた役割を放棄する理由にはなりません。
任されたからには、あやしたりおむつを替えたりなど、全力で対処しましょう。悪戦苦闘して初めて、妻からの「父親としての信頼」が得られます。ただし、本当にピンチの場合に助けを求めるのはやむを得ません。
妻が心配そうに「大丈夫?」と声をかけてきたときには、「大丈夫。泣かれるのもいい経験だから」と返す。