相手からのメールに「誤り」を見つけたとき、「感じのいい人」はどうやって指摘するでしょう。
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「メールライティングのコツ」について紹介しましょう。
気持ちよく相手に指摘するには?
多くの人は、メールを送信する前に、「誤りがないかどうか」をチェックするでしょう。
まして、相手が取引先や上司だった場合には、なおさらです。
一方で、相手からのメールに「誤り」を見つけるときがあります。
簡単な誤字脱字程度ならいざ知らず、業務上重要な事柄だった場合には、その誤りを指摘するハードルは、高いものです。
とくに若手のビジネスパーソンならば、いっそ、見なかったことにしたくなることでしょう。
そこで、気持ちよく相手の誤りを伝える2つの方法をご紹介します。
「この言葉」を加えよう
1つめは、シンプルに「クッション言葉」を活用することです。
クッション言葉には、その名称どおり、伝えにくいことや依頼ごとなどを、やわらかくする効果があります。
代表的なクッション言葉には、「おそれいりますが」「お手数ですが」「失礼ですが」などがあります。
たとえば、相手が日時を間違えてメールを送ってきている場合ならば、
「念のための確認ですが、次回のお約束は6月13日(木)13時でよろしいでしょうか。」
本当はわかっていることでも、「念のための確認」というクッションを挟むことで、やわらかいばかりか、謙虚さも感じられますよね。
2つめは、「記録」という言葉を効果的に使うことです。
「次回のお約束については、手元で6月13日(木)13時と記録していますが、
いま一度確認させていただけますでしょうか。」
こうすると、「間違いの指摘」が「記録の確認」という要素になりますから、書き手のハードルがググっと低くなるかと思います。
ぜひ、活用してみてください。
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。