魅力度の点数が低下したのは北海道だけではない。今回の特徴として、魅力度をはじめ主要な調査項目の平均点は前年度と比較して低下する傾向が見られた。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、2015年から地域創生が始まったことで本調査にも影響があったという。

「創生期(地方創生の取組みとして、特に若年層に浸透)には、地域に憧れを抱き、住みたいと思う若者が増えているというイメージがつくられた。そして、コロナ禍になると、地方移住やリモートワークが普及し、地方に移住する人も多くなった。

 また、地域おこし協力隊の影響も大きく“地方を活性化しよう”という動きが出てきた。しかし、アフターコロナを迎えた2023年にはそのような風潮がなくなり、現実感が広まり始めた。これらの要因が、魅力度の全体的な低下につながったのではないだろうか」(田中社長)

愛知県をランクアップさせた
二つの要因とは

 そんな中、昨年20位だった愛知県が16位(29.1点)に大きくランクアップし、47都道府県の中で伸び幅の上昇が1位となった。

 田中社長は、順位が上昇した主な要因は2つあると指摘する。

「一つは、スタジオジブリの世界観を表現したジブリパークの開設の影響、もう一つが将棋棋士の藤井聡太氏の功績が著しいこと。藤井氏は愛知県瀬戸市出身であり、彼が頑張ることで注目され、地域も盛り上がっている。これまで東京都と大阪府にしかなかった将棋会館が愛知県に開設されたのは、少なからず彼の影響だろう」