音声認識や機械学習を手掛ける豪アッペンは、米アルファベット傘下のグーグルなど世界最大級のハイテク企業の多くが手掛ける人工知能(AI)システムのトレーニングを支援してきた。そのアッペンが今、そうした機械に取って代わられる危機にある。かつて33億ドル(約5000億円)の価値があったアッペンは、北米のオフィスを閉鎖するほか、最高経営責任者(CEO)を交代させた。最近、売上高の30%に貢献していたグーグルとの関係が終了し、それによって悪化した「出血」を抑えるためだ。アッペンは1週間前、ナスダック上場のデータエンジニアリング会社イノデータがアッペンの全株式を1億100万ドルで取得する提案を撤回したと発表した。