子どもが少し大きくなっても、親の悩みや不安は尽きません。今日もイヤな叱り方をしてしまったと、落ち込むことも……。きれいごとでは進まない子育てでうまく立ち回るために、23年間の小学校教師経験を含む40年超の実績のある教育評論家・親力アドバイザーの親野智可等:著『ずるい子育て』(ダイヤモンド社)に頼ってみませんか。本連載では、多種多様な子どもたちとその保護者に向き合って生まれた「親がラク&子どもが伸びる」一石二鳥のテクニックを紹介していきます。

【元教師の願い】どうか学校のことで苦しまないでくださいPhoto: Adobe Stock

学校は10年以上前から問題だらけ

学校は、子どもにとって家庭に次ぐ大きな意味をもつ場所です。ところが、増えつづける不登校児童の問題をはじめ、教職員の過労やメンタルの問題、いじめの問題、学級崩壊、部活動やPTAの問題などなど、10年以上も前から多くの問題が指摘されるようになりました。
日本では、学力だけでなく、しつけや道徳、生活習慣、デジタル教育など、学校にありとあらゆる役割を背負わせてきました。そこへ社会の激しい変化が重なり、学校現場では対応しきれなくなってしまったのです。

学校に期待しすぎないで

いまや子どもを一律に学校に行かせることは、かなり無理があると言わざるを得ません。
そこで私がみなさんにお伝えしたいことは、「学校に期待しすぎないでください」ということ、そして、「たとえ子どもが学校でうまくいかないことがあったとしても、そのことで苦しみすぎないで」ということです。

学校は本来子どもを幸せにするためのもの

例えばお子さんが学校に行けなくなったら、心配してなんとか学校に行かせたいと思うかもしれません。しかし、学校に行けないのにも理由があります。子どもの話を聞かずに無理やり行かせると、かえって子どもは苦しむことが多くなってしまいます。本来、子どもを幸せにするための学校で子どもが苦しまなくてはいけないのは、本末転倒です。

いまや学校は最優先ではない

学校の価値や意義は、以前に比べて相対的に下がっています。そこで親も意識を変えて、学校は子どもを伸ばすための選択肢のひとつにすぎないと考えてください。「学校が最優先ではない」ということをしっかり理解しておくことによって、不登校への対応なども変わってくると思います。我が子が幸せになることを第一に考えてください。

※本稿は『ずるい子育て』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。