子どもが少し大きくなっても、親の悩みや不安は尽きません。今日もイヤな叱り方をしてしまったと、落ち込むことも……。きれいごとでは進まない子育てでうまく立ち回るために、23年間の小学校教師経験を含む40年超の実績のある教育評論家・親力アドバイザーの親野智可等:著『ずるい子育て』(ダイヤモンド社)に頼ってみませんか。本連載では、多種多様な子どもたちとその保護者に向き合って生まれた「親がラク&子どもが伸びる」一石二鳥のテクニックを紹介していきます。

【家庭でできる】子どもが勉強を好きになるたった1つの方法Photo: Adobe Stock

「勉強、楽しい!」と思わせたら、勝手に学びはじめる

みなさんは、勉強に対してどんなイメージをもっていますか?
キラキラと、明るく楽しいポジティブなイメージでしょうか。それとも、つまらない、面倒くさい、難しい、義務、つらい……といったネガティブなイメージでしょうか。ネガティブなら、その原因は学校の勉強が、宿題やテストなど「やらなくてはいけないこと」ばかりだったせいではないかと思います。

人間は本来、学ぶことによろこびを感じるもの

何かを学ぶのは、本来、人間にとってとても楽しいことです。子ども時代は誰でもたくさん遊びをしてきたと思いますが、遊びは、実は学びそのもの。遊ぶことで、子どもたちはたくさんのことを学びます。
大人も同じです。趣味でスポーツや楽器演奏、創作などをするとき、脳は新しい刺激を受け、物事を上達させていくことに快感を味わっています。それは学びです。どんなに年齢を重ねても、私たちは本来、学ぶことによろこびを感じます。そうやって、生涯にわたってさまざまな能力を身につけていきます。

「勉強は楽しい!」というイメージを植えつけよう

ところがたいへん残念なことに、学校という学びの場において、学びを嫌いにさせることが当たり前のように行われています。これは本当にもったいないことです。
ですから、親のみなさんにぜひやってほしいのは、お子さんに「勉強は楽しいんだよ!」というイメージをとことん植えつけることです。

「ちょっとだけ手応えがある」学習

子どもが勉強を嫌いになる理由は、その子の“いま”に合っていないからです。「わかる!」「できる!」と感じられることなら子どもは楽しくできます。一方、「難しすぎる。わからない」と感じると嫌いになってしまいます。とはいえ、簡単すぎてもつまらないもの。いちばんいいのは「ちょっとだけ手応えがある」学習です。学年の勉強なんて関係ありません。いま6年生で九九がいまひとつ危ういということであれば2年生の問題をやらせましょう。2年生の問題が簡単すぎてやる気がしないと感じられる子なら、もっと先をやらせればいいのです。

子どもは勝手に学ぶようになる

学校は一斉授業なので無理ですが、家庭ならそうした個別最適化された勉強ができます。「勉強、めっちゃ楽しい!」と感じさせられたら、子どもは勝手にもっと学ぶようになります。

※本稿は『ずるい子育て』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。