米株式市場はここ数年で最も落ち着いている。相場が平穏な状態にあるのは、特定の投資戦略が広がっているためだとして懸念する向きもある。市場全体のボラティリティー(変動率)を示す指標は2018年後半以来の低水準で推移する一方、米国株の主要指数は過去最高値の更新が相次ぐ。年初来ではS&P500種株価指数は9.4%上昇し、過去最高値を更新して引けるのは20回を記録した。投資家は相場が下落した場合のヘッジとして、特定の上場投資信託(ETF)に資金を投じている。これらは「デリバティブ・インカム」型や「カバードコール」型などと呼ばれ、株式を売買する権利であるオプションを売却することで、収益拡大やリターン向上を目指すことを特徴とする。オプション取引では、権利の買い手はあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で株式を売買することができる。