北朝鮮の沿岸から2マイル(約3.2キロ)も離れていないこの韓国の小さな島全域に1月、緊急警報が鳴り響いた。地元の村長を務めるキム・ジュンベ(Kim Joung-Bae)氏は慌てて行動に移った。それは北朝鮮が近海に何百発もの砲弾を打ち込んだ直後のことだった。これを受けて韓国は実弾演習の準備をした。次に何が起き得るのか分かっていなかった。ベトナム戦争を戦った74歳の元韓国海兵隊員であるキム氏は、住民に避難を促そうと戸別訪問した。スリッパや毛布、ツナ缶が備蓄された緊急避難所の中では、住民たちが不安そうに言葉を交わし、そわそわと行ったり来たりしていた。コミュニティーのリーダーとして、キム氏は自身の不安を見せないように努めていたが、内心では戦争の可能性を恐れていた。
北朝鮮に近い韓国の小島、響く警報と高まる不安
金正恩政権による新たな攻撃を恐れる延坪島の住民
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