「“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「相手に端的に意見を伝える方法」を紹介します。
「リアクション」の達人になろう
相手に心地よく話してもらう最大のコツ。それは、「リアクション」です。
これは、声を大にして言いたいくらい重要です。自分は話し下手だと思っている人は、まずリアクションの達人を目指しましょう。
たとえばあなたが話している時、相手がお地蔵様のように無表情で何も反応しなかったらどうでしょう。「私の話、大丈夫かな」と不安になりますよね。まして、目も合わせてくれなかったら「怒っているのかも」と心配になります。
気の利いた言葉が出なくても気持ちが伝われば大丈夫
世の中にはさまざまな「リアクション」の方法があふれていますが、実はどんな言葉でも、相手を心から思い、発した言葉は人の支えになる力を持っているのです。
特に言葉がなくても、「気にかけている」と示すだけでも十分なときがあります。
以前、友人のお母様が急逝した時のこと。どれほどのショックか、彼女の胸中を思うとそっとしておくべきかと迷いましたが、やはり電話だけでも……と思い切って連絡を取ってみました。しかし私は、電話口で泣く彼女に対して何も言うことができませんでした。ただ「本当に寂しいね」と、私も一緒に涙することしかできなかったのです。
しかしその友人は、会うといまだに「あの時、一緒に泣いてくれたことは今でも忘れられない。感謝している」と言ってくれます。
言葉は「気持ち」を伝えるもの
気の利いた言葉や名言を言えなくてもいいのです。相手の気持ちに寄り添い、そこから出た一言が人を助けることもあります。
大切なのは、あなたを思っているという気持ちを自分なりの言葉で伝えていくこと。言葉は気持ちを伝えるツールに過ぎません。大切なのは、必ずしも何か気の利いた言葉やリアクションだけではなく、自分と相手が、ちょうどよく調和するコミュニケーションなのです。
(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)