ビジネスの世界では「話し方」一つで大成功を手にすることもあれば、大損失を被ることもあります。ただし、口がうまいからと言って仕事ができるわけではなく、むしろ口下手の方が結果を出すケースも少なくありません。ビジネスで求められる実践的「話し方」とは?この特集ではあなたの「話し方」を劇的にアップデートする書籍を厳選しました。今回は『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』から、管理職が絶対知っておくべき部下を叱っても嫌われない話し方の「カキクケコ」 をお届けします。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)

あなたの「話し方」が変わる!#3Photo:PIXTA

職場の「心理的安全性」を
高める話し方とは

 先日メンタルヘルスに関する管理職研修に出席したのですが、思いのほか参考になったのが「心理的安全性」のつくり方でした。心理的安全性とは、不安なく率直に発言できる状態のこと。講師は、これを構成する4因子として、話しやすさ(何を言っても大丈夫)、助け合い(困ったときはお互いさま)、挑戦(とりあえずやってみよう)、新奇歓迎(異能、どんとこい)を挙げていました。

 実際、こうした風土のない企業ではイノベーションは生まれにくいでしょう。

 講師はさらに心理的安全性を高める「話し方」についても言及しました(以下参照)。

✕「なぜ終わってないの?」

◯「止まっていることは何ですか?」

✕「いろいろありがとう」

◯「~してくれてありがとう」

✕「そんなの無理でしょ」

◯「その視点はなかった!詳しく教えて」

 確かに、話し方一つで部下のモチベーションは天と地ほどの差が出ます。特に注意が必要なのが、部下を指導する際の言葉。多くの管理職が苦手なはず。私も苦手です……。

『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』の著者、秋竹朋子氏は、部下や後輩を叱ったり、注意する場合は以下の「カキクケコ」を意識すべきと指摘しています。

カ:カッ!とならない
キ:気づかせる
ク:口調は穏やかに
ケ:けなさずに
コ:今後どうするか

「つまり、カッとなっていきなり頭ごなしに叱るようなことをしてはダメ。あくまでも口調は穏やかに、落ち着いた調子で話すことが大切です」と秋竹氏。

 話を切り出す際には、「今、ちょっといい?」「言いにくいんだけど、聞いてくれるかな?」という前置きを置いてから、さらにクッション言葉を使って、「私の勘違いだったら申し訳ないんだけど」「一つだけ注意しておきたいんだけど」などと本題に入っていくのが良いそうです。

 その上で、秋竹氏によれば、「話をするときには、相手をけなしたりせずに事実を指摘することを意識します。また、話す内容はクドクドと長くならないように、できるだけ簡潔にするといいでしょう」「そして最後は、今後どうするかを話し合って前向きに終わります。その際は、明るいトーンで話すようにすると、相手は注意されたことを引きずらずにすみます」。

 リアルとリモートのハイブリッド型勤務が定着してきた現在、上司と部下とのコミュニケーションは難しくなる一方です。働き方に対する価値観も世代間に断絶ともいえる深い溝があるように思えます。

 だからこそ、相手の立場を尊重した深いコミュニケーションが求められています。『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』では、上記のような叱っても相手に嫌われない話し方のみならず、「信頼感と説得力が加わる話し方」「好印象・心地よく聞こえる方法」「伝わる声と話し方」などについて、シチュエーション別に徹底解説しています。ぜひご一読ください。

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書影『「話し方」に自信がもてる1分間声トレ』

声の改善で仕事の成果が変わった人たち/はじめに/目次/序章 「声」は最強のビジネススキル
第1章 仕事で使える声を手に入れる「1分間声トレ」
第2章 ビジネスの現場で役立つ「言葉」と「話し方」
第3章 シチュエーションごとに、声を使い分ける
終章 「声」というスキルで人生が変わる/おわりに 

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