仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は、「会食で失敗した部下に上司が伝えた言葉」を紹介しよう――。

<知らないと大恥>【会食マナーチェック】絶対避けるべき超NG話題は「政治」「宗教」…もう1つは?Photo: Adobe Stock

政治・宗教・プロ野球は「相手の出方をうかがう」

慣れていない方はもちろんのこと、慣れている方でも粗相をしてしまうのが会食・食事会というフィールドである。

主な原因はアルコールだ。アルコールによって気が大きくなった結果、不用意な発言をしてしまうケースが散見される。

会食・食事会での発言は、その人のパーソナリティのイメージに直結する。もし一度「失礼なやつだ」と思われてしまったら、その人の中であなたは事実上「失礼な人」になってしまうのだ。

他にも、「自分と意見・信条が違う人」という評価になってしまうのもあまり好ましくはない。政治・宗教・プロ野球の話がタブーとされているのはこれが原因の一つだろう。

プロ野球の話題が出た時の対処法

特にプロ野球に関しては、ついついしてしまいがちな話題である。

たとえば、相手に「休日は何をされているんですか?」と質問したときに「野球観戦が趣味で」と返ってくることはよくある。しかし、その際に「どこの球団がお好きなんですか?」と聞くのは避けたほうが無難だ。あなたと異なる球団を応援している場合においても「自分と相手の違い」を強調してしまうし、たとえ自分が野球観戦に興味がなかったとしても、「同席している上司とクライアント間で応援している球団が違う」ということもあり得る。そもそもプロ野球は「興味のある人」と「興味のない人」の熱量の差が激しいものである。全体の雰囲気を考えても、あまり長い時間を使わないほうがいいだろう。

できる対処としては「いいですね~!」とだけ受け止めておくのがオススメだ。話題をそれ以上発展させないように、追加情報は補足するのは避けよう。

もしお子さんのいらっしゃる方であれば、「お子さんとご一緒に観戦ですか? 他にもどんなところに一緒に行かれているんですか?」などと、別の話題に切り替える方向に持っていくのがいいだろう。

ただし、事前に「相手が応援している球団を確実に掴んでいて」かつ「自分も同じ球団を応援している」場合にはこの限りではない。その場合には相手と心のつながりを形成する大きなチャンスである。例外的ではあるが、こういったチャンスを逃さないためにも、事前に相手の情報をインプットしてから望めると上級者だ。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)