メルカリ「追悼商法」の呆れた実態、鳥山明の訃報に便乗「ドラゴンボール…高騰すると思います!」の不謹慎Photo:PIXTA

鳥山明さんの「追悼」と銘打って、メルカリに『ドラゴンボール』『Dr.スランプ アラレちゃん』の関連商品が多数出品されている。「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」「The Birthday」で活躍したチバユウスケさんや「BUCK-TICK」の櫻井敦司さん、『ちびまる子ちゃん』の声優TARAKOさんの死去に際しても、訃報に便乗するかのような商品があふれ返った。追悼商法の呆れた実態とは? ネットメディア研究家の城戸 譲が考察する。

 このところ、日本中がショックを受けるような訃報が続いているが、悲しみがあれば、そこに商機を見いだす者も現れるのが、インターネットが「魔境」たる理由。フリマアプリなどに、故人の名声に便乗した商品が出回ることは、決して珍しくない。

 最近の出品を見ていると、3パターンほど便乗の傾向が読み取れた。

(1)故人への敬意が感じられない商品紹介

メルカリ「追悼商法」の呆れた実態、鳥山明の訃報に便乗「ドラゴンボール…高騰すると思います!」の不謹慎「ドラゴンボール、アラレちゃんフィギュア高騰するかと思われます!」敬意の感じられない商品説明

 まずは商品紹介から、故人への敬意が感じられない商品。「追悼!」や【追悼】のように、タイトルを記号で目立たせた出品物は、まだまだやさしい。メルカリを探検していると、「明らかに開き直っているでしょ」と感じさせるものもあった。

 つい先日、漫画家の鳥山明さんが亡くなり、日本中が悲しみに包まれた。

 その直後には「ご冥福をお祈りいたします」といった説明文つきの出品物が相次いだが、とある説明文には「ドラゴンボール、アラレちゃんフィギュア高騰するかと思われます!」との記述が。プレミア価格が付く前に……と、あおりたくなる気持ちは理解できるが、この書き方は考えものだ。

 他にも「訃報を知って、ファンが大切にした方がいいと……」と配慮している説明文もあるが、その本心を知るすべはない。筆者のような偏屈な人間からすれば、その思いやりすらも「商売道具」に見えてしまう。

(2)サインなど真偽不明の商品

メルカリ「追悼商法」の呆れた実態、鳥山明の訃報に便乗「ドラゴンボール…高騰すると思います!」の不謹慎そのサイン…本物ですか? 鳥山明さん死去後にメルカリにあふれた商品

 フリマアプリやネットオークションは、取引手数料が安価である代償として、その商品の真贋を判定しにくい。鑑定人の「目利き」に頼らないため、購入希望者はしっかり下調べした上で、入札なり購入なりをしないと、痛い目にあいかねない。

 故人のサインとなれば、もう新たに書き下ろされることはないこともあり、価格が高騰するのも理解できる。直筆であればなおさらだが、その分プロの鑑定を経ていない商品には注意が必要だ。

 実際に今回の件でも、AERA dot.が「鳥山明氏のサイン、フリマサイトは『99%偽物』と鑑定士が警告 本物は1千万円以上の取引も」といった記事を出しているように、信頼度が乏しい商品は存在しているようだ。